サービス案内


建築設備定期検査

建物の呼吸と血液の流れの総点検

換気設備、排煙設備、非常用照明設備、給排水設備の検査及び報告(年1回)

建築基準法第12条の規定に基づいて、特定行政庁が指定する一定の用途・規模以上の検査対象建築物に設けられた建築設備(換気設備排煙設備非常用の照明装置給水設備及び排水設備)に関して、その所有者又は管理者は毎年定期に検査資格者による検査を実施して、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。
この定期報告制度は、多くの人が利用する建築物(劇場、ホテル、百貨店、病院、学校、飲食店、共同住宅、事務所等)に設けられた安全、衛生、防災、避難上の重要な建築設備を適正に維持管理することにより、建築物の事故や災害等を未然に防止しようとするものです。

  • 定期検査対象建築物及び対象建築設備(東京都の場合)⇒PDF:16KB
  • ※自治体により検査内容、報告書は異なります。
  • 《特定行政庁》
  • 都道府県知事、市町村長、特別区長(東京都23区)
  • 《報告義務者》
  • 報告をしなければならない建築設備の所有者又は管理者(所有者からその建築設備について維持管理上の権限を委任された人)。
  • 《検査資格者》
  • 検査は次の資格を有する技術者により実施する。
    1. 一級建築士及び二級建築士
    2. 建築基準適合判定資格者(旧建築主事)
    3. 建築設備検査資格者(国土交通大臣の定める)
  • 《報告書提出先(受付機関)》
  • 財団法人日本建築設備・昇降機センターに提出します。
    尚、報告書の作成、受付機関への提出は、検査資格者が代行致します。

※平成17年6月に定期報告閲覧制度が新設され、報告書と併せて閲覧用の書類(定期検査報告概要書)の提出が義務付けられました。

  • 報告書の提出後について
  • 点検の結果が良好な建物に対しては、下記の様な建築設備定期検査報告済証が発行されますので、建物玄関入口等の見やすいところに掲示して下さい。

建築設備定期検査報告済証

検査対象建築設備

換気設備

飲食店の厨房などにあるガス器具を使用する場合(燃焼するため)には、空気中の酸素が必要です。その酸素を供給し、室内の空気を新鮮に保つのが、換気扇や排気フードなどの換気設備です。

主な検査内容

  • 換気扇による換気状態は良いか検査する。
  • 給気機、排気機の運転時に異常はないかどうか。
  • ガス器具の正常な燃焼に必要な排気量が確保されているか、風速計で風量を測定し、ガス事故を未然に防止する。
  • 防火ダンパーの作動は円滑かどうか


換気フード


風量測定

維持管理
  • 換気不良等による事故を未然に防ぎ、設備を長持ちさせるためにも換気フード、換気扇、排気ガラリ、グリスフィルター等の汚れは1ヵ月~2ヶ月に1回程度清掃しましょう。
  • また、ダクト内の油汚れやほこり等については、定期的に専門業者に清掃依頼しましょう。

排煙設備

火災時に発生する有毒な煙やガスを建物の外に排出して、避難および消火活動を容易にし、尊い生命を守る防災設備です。

主な検査内容

  • 排煙口の周囲に障害物はないか。
  • 排煙口の取付け状態、腐食等はないか。
  • 排煙機の設置状況は良く、かつ排煙ダクトに空気漏れはないか。
  • 排煙機は排煙口が開放すると自動的に起動するか。
  • 予備電源(自家用発電装置または直結エンジン)は正常に運転するか。
  • ダクトとの接続部に亀裂等の異常はないか。
  • モーター・エンジンを含めて運転時に異音、振動、発熱はないか。

屋上排煙機

維持管理
  • 排煙口は常時閉鎖され、かつ付近には障害物を置かない。
  • 手動開放装置は常に見えるようにしておく。

非常用の照明装置

火災や地震などで停電した場合に点灯する照明設備(器具)。
非常用の照明装置が点灯していると、必要な明るさが確保され、すみやかに避難ができると共に、消防隊員の消火活動もすばやく対応できます。

主な検査内容

点検用ひもを引くと、非常用照明装置が点灯するか確認する。

  • 器具は予備電源(バッテリー等)で点灯するか。
  • 規定の明るさが確保されているか、照度計で照度を測定する。
  • 配線の接続方法は適切か検査する。


点灯確認


照度測定


配線等の検査


白熱灯(ハロゲン)

維持管理
  • 非常用の照明器具からの光をさえぎる物は置かないようにする。
  • 球切れや、管球の劣化により照度が低下していないか確認する。
  • 点検用のひもを引くと非常用照明が点灯するか確認する。

給水設備及び排水設備

日常生活で欠かせない水の供給と排水を確保しているのが、給水・排水設備です。
一般に公共水道を受水槽に受け、高置水槽や加圧ポンプなどから配管を通って各家庭、事務所等に供給されます。

主な検査内容

  • 高置水槽、受水槽は汚染を受けないような場所に、衛生的に設置されているか。
  • 高置水槽・受水槽に、通気管・水抜き管・オーバーフロー管等が適切に設けられているか。
  • 給水ポンプの運転状況は正常か。
  • 配管の腐食、漏れはないか。
  • 衛生器具(小便器、大便器、手洗い給水栓)の状況は正常か。


高置水槽


受水槽

維持管理
  • 高置水槽・受水槽等は、年1回定期的に清掃・消毒・点検し、汚れを除去する。
  • 排水槽等は定期的に清掃・点検し、汚水・沈殿物を除去し、悪臭を防止する。
  • 飲食店厨房などのグリストラップは、定期的に清掃・点検する。
  • 排水トラップの封水を確保し、下水からの悪臭を防止する。
  • 屋上等のルーフドレン(雨水排水口)に、ゴミ等によるつまりがない様にして排水状況が適切かどうか確認する。

点検の結果、各検査対象建築設備に修理等改善が必要となる個所がある場合には、建築設備検査資格者による適切なアドバイスをさせて頂きます。